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--リオ五輪のために新たに建設されたスタジアムは、                    
 プレハブ工法によってつくられた「一時的な建造物」だ。
 この手法によって建設・管理コストが削減できるほか、
 建物の部品は地域の学校やプールなどに再利用される予定だという。
 リオのアイデアは五輪の「スタジアム問題」を解決するだけでなく、
 すべての建築に必要な視点を示している。

 オリンピックは、開催都市に厄介な建物を残すことで有名だ。
 2004年のアテネオリンピックのためにつくられた
 総合運動施設の大部分は、現在十分に活用されず、さび付きかけている。
「鳥の巣」の愛称で知られ、2008年の北京五輪の象徴となった
 北京国家体育場は、現在は観光客が見物に訪れ、
 ときどきサッカーの試合が行われるくらいだ。

 オリンピックを開催したほぼすべての都市が、
 こうした厄介ものを抱えている。
 国際オリンピック委員会(IOC)は
 近年、主催者と開催都市に対し、聖火が消え、
 観客や選手が自国に帰ったあとの「五輪の遺産」についても
 考慮するよう指示している。

 2012年のロンドン五輪では、「祭りのあと」が少し意識され、
 容易に解体できる競技場がいくつかつくられた。
 リオ五輪では、このアプローチをさらに進化させ、移転や改造、
 異なる目的への利用が可能な建造物がつくられている。
 リオデジャネイロのエドゥアルド・パエス市長はこれらを、
「遊牧民のような建築」と呼んでいる。

「オリンピックが終わったあとにも、
 無用の長物が残らないよう計画しました」と、
 ロンドン五輪とリオ五輪でオリンピック・パークの
 基本計画を担当したAECOM(エイコム)のビル・ハンウェイは言う。
「現代のオリンピックでは、社会的・財政的な責任が
 これまでよりはるかに重視されているのです」

 ハンウェイによれば、このようなアプローチは不可欠だという。
 オリンピック会場をそのまま一般競技場として使用すると、
 収容人数が大きすぎるからだ。(そのキャパシティが)
 必要な数の2倍に達することも珍しくないという。
 まったく用途がなく、放置されている施設も多い。

 そこで鍵を握るのは、「プレハブ工法」だ。
 何十年も前から存在する工法だが、従来の工法より安くて速く、
 持続可能なため、再び注目されている。
 素材と技術の進歩によって、より軽く、より強く、
 風雨に耐えられるモジュール構造の建築物を現代では
 作ることができる。

 リオ五輪の諸会場は、規格化された鉄骨の柱や梁(はり)、
 モジュール式の鋼板、コンクリート床といった共通の部品と座席、
 そして競技自体に必要な床やプールといったものが
 パズルのように組み合わせられている。
 8月21日にオリンピックが閉幕したら、
 会場として使用された建造物は解体、輸送され、
 新たな用途のために再び組み立てられるのだ。

「世界が直面する環境的・経済的な課題に対応するためにも、
 工期が短く、軽く、持続可能な建造物を選ぶべきです」と
 ハンウェイは言う。
 これはオリンピック会場だけでなく、すべての建物に言えることだろう。

 日経アーキテクチュアより引用

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